ミニトマトの病気
ミニトマトは、大玉トマトや中玉トマトに比べると育てやすく、
トマトの中でも初心者向きといわれています
育てやすいミニトマトですが、育て方を間違えていたり、
栽培環境が悪ければ、病気にかかります。
ここではミニトマトがかかりやすい病気をご紹介します。
また、ご紹介した病気以外はかからないというわけではありません。
ミニトマトがかかる可能性のある病気は、
大玉トマトや中玉トマトと共通と考えておきましょう。
*あわせてこちらをご覧ください。
>>トマトの病気
■ミニトマトの病気
・うどんこ病
葉の表面に、うどん粉をふったような白いカビが発生する病気です。
うどんこ病は、色々な植物がかかる可能性のある病気ですが、
ミニトマトがかかる時には、2種類の症状が出ます。
1つ目は、うどん粉をふったような白いものが葉の表面に発生するパターンです。
ひどくなれば、葉の表面だけでなく、葉柄やヘタなどにも白いものができます。
最初は白いカビが点々と葉に出ますが、
徐々にこれが大きくなっていき、葉全体に広がります。
白いカビができた部分の組織は黄色く変色し、だんだんと弱っていきます。
2つ目は、白いカビはほとんど発生しません。
かわりに、葉の表面が黄色く変色したり、葉の裏面が薄い赤褐色に変色します。
これは菌が葉の表面で菌核を作らず、葉の内部で繁殖して蔓延するためです。
この場合は、葉の表面に1つ目のようなカビはほとんど発生することはありません。
症状に2つのパターンがあるのは、うどんこ病の菌が2種類あるためです。
いずれも乾燥して風通しの悪い環境になると発生しやすいので、
乾燥し過ぎないよう気をつける必要があります。
ミニトマトは少し乾燥気味に育てますが、過乾燥は良くありません。
水を与える時、葉の裏に葉水を与えるなどして、乾燥しすぎるのを予防します。
また、株間が狭かったり、株が大きくなって葉が多くなると、
風通しが悪くなってうどんこ病が発生しやすくなります。
株間は十分にとっておき、葉が多くなって風通しが悪いと感じたら、
不要な葉を摘んでしまうようにします。
うどんこ病にかかったトマトの葉
・黄化葉巻病
この病気は、1998年に見つかった新しい病気なので、
もしかすると聞いたことがない方も多いかもしれません。
症状としては、葉の葉脈以外の部分が、
色抜けしたように黄色く変色し、葉の縁が内外に巻きます。
おもに生長点付近の株の上部にある葉から症状が出ます。
症状が出た部分よりも上は、葉が縮れたようになり、
節間も極端に狭くなって、全体的に縮こまったようになっていきます。
その後は生育が悪くなり、花や実がついてもすぐに落ちてしまいます。
この病気はウィルス性の病気で、虫の媒介によって感染します。
媒介する虫は、タバココナジラミという害虫です。
黄化葉巻病の感染を予防するためには、
このタバココナジラミを株に寄せないようにすることが一番です。
タバココナジラミは、黄色い色に寄っていく性質があるため、
黄色い色をしたテープを近くに設置しておき、
そこに寄せ付けることでミニトマトに近寄らせないようにする方法があります。
・青枯病
青枯病は、梅雨明けくらいから起こりやすくなる病気です。
高温になると症状がでやすくなります。
晴れた日の日中、葉が萎れたようになるものの、夜には元に戻ります。
翌日、また日中に葉が萎れて夜に戻るを数日繰り返します。
その後は、ミニトマトの株は、長く生きることはなく、
葉が萎れた状態から戻らなくなって枯れてしまいます。
症状が出てから枯れるまでの進行が早く、
まだ株が青いうちに枯れてしまうため、この名前がついています。
青枯病がミニトマトに感染するのは、わき芽をかいた後や、
収穫、葉かきした後などにできた傷口からです。
感染した株を触った手や、処分した時に使ったハサミなどを、
消毒せずにそのまま健全な株に使うと、そこから菌が入り込んで感染します。
道具を使う時、特にハサミなど傷をつける道具を使う時は、
あらかじめ消毒してから使用した方が安全です。
*ライターで軽くあぶったり、アルコール(消毒用エタノール)で消毒します。
青枯病は、感染すると治療できずに枯れてしまう厄介な病気です。
できる限り感染を防ぐためにも、できる限りのことをしておきましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
トマトの病気
トマトがかかりやすい病気の症状と対策をまとめました。
もし病気にかかってしまっても、
環境改善や薬剤を使用して治せる場合もあります。
トマトにはどのような病気があるのかを知り、
どのように病気に対処するのかも知っておきましょう。
■トマトの病気
●萎ちょう病
萎凋病(いちょうびょう)は、株のどちらか片側の葉が萎れ、
夜間にもとに戻っては、また昼間に萎れる、
といった状態が繰り返されます。
症状が出る葉は徐々に上部まで広がり、
初期に症状が出始めた葉はだんだん黄変して枯れ落ちます。
そのうち片側だけでなく、全体の葉に同じような症状が出て、
最終的には枯れてしまいます。
病原菌は土壌に潜んでいることが多く、
しかも土の中での生存年数が長いため、
トマトを育てて一度発症した場所には消毒が必要となります。
症状が出た場所で何度も繰り返しトマトを育て、
その度に症状が出続けると、菌は土の中で増えていくばかりです。
他にも、根腐萎ちょう病や半身萎ちょう病などがあります。
根腐萎ちょう病は、名前の通り根が腐ったようになり、
そのため水分を吸い上げることができなくなり、葉が萎れてしまいます。
半身萎ちょう病は、萎ちょう病と症状は似ていますが、
萎ちょう病ほど進行が速くなく、症状の出方も緩やかです。
◎対策
抵抗性品種や抵抗性接ぎ木苗を利用すると発病しにくくなります。
保水性や通気性を良くし、元肥、追肥を規定以内に抑えます。
トマトを育てて一度発症した場所は、消毒が必要となります。
●根腐病
根腐病は、主に水耕栽培でトマトを育てている時にかかる病気です。
初期の頃は、一部の根が褐色に変わります。
そのまま放っておくと、どんどん変色する根が増え、
地上部の葉も萎れるようになってきます。
まず頭頂部の葉が萎れるようになり、夜間になると戻り、
また昼間になると萎れる状態が続きます。
その後、全体の葉が萎れるようになり、
葉が黄変して枯れ落ちてしまいます。
この病気の菌は、水カビの一種であるため、
水耕栽培によって起こる可能性が高まります。
◎対策
抵抗性の台木を使い、連作を避けます。
植え付け前に専用の薬剤で消毒すると効果的です。
苗を定植する際、スポンジや容器を消毒するだけでも、
菌の増殖を防ぐことができるので、
できるだけ消毒したものを使うようにしましょう。
マルチを敷いてどろ跳ねを防止するのも効果的
●疫病
葉、茎、果実に病斑ができ、徐々にその病斑が大きくなって、
最終的には白いカビが生じます。
良く似た症状の病気に、褐色腐敗病がありますが、
こちらは主に実に症状が表れるのに対し、
疫病は葉、茎、果実と広い範囲に症状が表れます。
株の下方から病変し、だんだん上部にも症状が表れます。
冷夏で雨が続いた時にこの病気にかかることが多く、
雨の時のどろ跳ねが原因で起こることもあります。
◎対策
株元にはマルチを敷いてどろ跳ねを防止するようにしましょう。
また、雨除けやハウス内での栽培も予防になりますが、
窒素分の多い肥料を与えていても、かかる確率が上がるので注意します。
●青枯病
突然、地上部が萎れて枯れてしまう症状が出ます。
病原菌はトマトの根から侵入し、まず根を腐らせます。
根が腐ったことにより、水を吸うことができなくなって、
トマトは急速に萎れてしまうのです。
萎ちょう病は萎れては戻り、戻っては萎れを繰り返し、
だんだんと葉が黄変して枯れていきます。
しかし、青枯病の場合は萎れては戻りを何度か繰り返した後、
黄変もせずに枯れてしまうことがほとんどです。
葉が青いうちに萎れて枯れてしまうため、
青枯れという名がついたのでしょう。
◎対策
抵抗性品種や抵抗性接ぎ木苗を利用すると、
かなり、発病しにくくなります。
一度この病気にかかったトマトを栽培した土地には、
菌が数年の間は土に残ります。
さらにナス科の野菜には感染する可能性が高いため、
症状が出た土地には消毒が必要となります。
茎に傷が! もう少しやさしく世話をします……
●軟腐病
茎がだんだんと腐ったようになり、
最終的には茎の内部は腐り落ちて空洞になってしまう病気です。
病原菌は脇芽かきや支柱誘引の紐で結んだ場所、
害虫の噛み傷などから侵入し、軟腐病の症状を起こします。
◎対策
傷口から菌が入らないように、できるだけ傷口を作らず、
できた場合にはできるだけ早く乾くようにすることが重要です。
傷口ができた後、雨が続くとさらに感染の確率が高くなります。
脇芽を摘んだりする時は、よく晴れた日の午前中に作業を行い、
支柱に誘引する際は、茎が傷つかないよう、締めすぎないようにします。
害虫駆除も、しっかり行います。
●モザイク病
株の上部に生える新しい葉がモザイク柄になり、
だんだんと葉が細くなっていきます。
最終的には葉は糸のように細くなり、
それより上には実がほとんどつかなくなります。
◎対策
モザイク病には2種類の菌があり、1つはアブラムシによって媒介されます。
病害虫はできるだけ防除するよう、
防虫ネットや防虫用マルチを使用するなど工夫をしましょう。
もう1つは感染した株との接触による感染です。
こちらの方が感染力が強いため、発症している株を発見したら、
他に育てているトマトに触れないよう、早急に処分する必要があります。
●炭そ病
実が熟してくると、実の表面に水浸状の小さな斑点ができることがあります。
この斑点はだんだんと大きくなり、
大きくなるにつれ中心が凹んだようになってきます。
その後、腐ったようになって自然と落果してしまいます。
◎対策
病原菌は被害にあった実の近くに残り、
雨水に当たることで飛散して他の実に感染します。
初期症状が出た頃であれば、ダコニール1000などの、
専用の薬剤を散布して消毒することにより、防除することが可能です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方