愛ちゃん
愛ちゃん
愛ちゃんは、愛三種苗株式会社が改良して作った、中玉トマトの品種です。
愛三種苗から出ている、唯一の中玉トマト品種です。
愛ちゃんが持っている特徴とは、どのようなものなのでしょうか。
また、育て方には、何かコツはあるのでしょうか。
[愛ちゃん]
■愛ちゃん
◎見目の良い中玉トマト
愛ちゃんは、1個の実が35g前後とよく整います。
一般的なミニトマトの場合、1個の実は10g~15gほどとなるので、
愛ちゃんはその倍くらいのサイズということになります。
中玉トマトというくらいですから、ミニトマトより大きな実がつくのは当然ですが、
食べた時の満足感がやはり違います。
ミニトマトは小さな子供でも食べられるくらいのサイズ感で、とても食べやすいです。
けれど、大人は物足りなさを感じることがあります。
また、大玉トマトを一人で一度に食べるのは難しい、ということもあります。
そんな時も、中玉トマトなら食べきりやすいサイズです。
ミニトマトや大玉トマトでは難しいことが、中玉トマトはちょうどよく解決してくれます。
愛ちゃんの実は、丸みが強い形をしていて、色は濃い赤色です。
発色が非常に良く、色周りも良いので色ムラも少なく、秀品率が高いです。
ヘタの濃い緑色との配色も美しいです。
表面には程よいツヤもあるので、見るからにおいしそうです。
果肉はやや硬めでよく締まっているので、噛んだ時にみっしりとした食感が楽しめます。
また、完熟まで枝につけていても、収穫時やその後に劣化しにくく、品質を維持できます。
トマトは枝で熟させてから収穫した方が、若どりするより甘みや旨みが強くなります。
裂果しにくく、収穫後の劣化も遅い愛ちゃんなら、完熟収穫が可能です。
むしろ、しっかりと熟させてから収穫した方が、本来の味を楽しめます。
◎耐暑性に優れ適性作型が広い
おいしい実が収穫できたとしても、秀品率が低ければ、
商品としては良いとはいえません。
もちろん、家庭菜園であれば、秀品率はあまり気にしなくても構いません。
けれど、農家で出荷用として栽培するのであれば、秀品率はとても重要です。
愛ちゃんは果肉が硬めで締まっている分、裂果しにくく収穫後の劣化も遅いです。
それに加え、乱形果などの整枝障害も起こりにくく、
肥大性も良いので着果した実はほとんど十分なサイズまで育ちます。
そのため、くず果と呼ばれる基準に満たない商品にするには難しい実の発生が少なく、
秀品率が非常に高いです。
トマトは夏が旬の野菜ですが、あまりにも気温が高すぎると、うまく育たなくなります。
愛ちゃんは耐暑性に優れているため、暑さの厳しい夏でもぐんぐん育ちます。
また、栽培できる作型が広く、基本となる夏秋栽培を始め、
促成栽培や半促成栽培、抑制栽培が可能です。
さらに、土栽培だけでなく、ロックウールを利用したRW栽培や水耕栽培など、
様々な環境で栽培できます。
◎草勢の維持が多収穫のカギ
愛ちゃんは、花数も多く、着果数や肥大性も非常に良いです。
もともとスタミナもありますが、本来持っている性質を十分に発揮するためには、
草勢の維持が欠かせません。
草勢の維持には、肥料や水が切れないことがポイントです。
ただし、トマトは多肥にすると樹ボケや生理障害、
病害虫被害が出やすくなる傾向が強いです。
肥料は一度に多量を与えるのではなく、少量をこまめに与えるのがお勧めです。
また、水分も減らしすぎると肥効を弱めるので、水分量の見極めが重要となります。
■特徴
・見目の良い中玉トマトの品種です。
・1玉が35g前後で、ミニよりも食べ応えがあり、
大玉よりも一度で食べきりやすいサイズ感です。
・表皮は鮮やかな赤色、ヘタは濃い緑色で配色もキレイです。
・形は球形で、表面には程よいツヤもあって見るからにおいしそうです。
・果肉が硬く締まっているので、十分熟してから収穫します。
・裂果もしにくく、形やサイズ、色ムラも出にくいので秀品率が高いです。
・くず果や生理障害が起こりにくいです。
・耐暑性に優れているので、暑い時期でもスムーズに生育します。
・基本の夏秋栽培の他、促成栽培や半促成栽培、抑制栽培で栽培できます。
・土栽培だけでなく、RW栽培や水耕栽培でも育てられます。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般の中玉トマトと同じです。
・収量が多いので草勢が落ちないよう、肥料や水の管理を行います。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方