トマト 葉焼けしたら
トマトの葉焼け、この程度なら心配はないでしょう
トマトを育てていると、なぜか葉先が茶色くなったり、
葉全体がカリカリに乾燥していたり、斑点が出るといった症状が見られることがあります。
このような状態を、葉焼けと呼びますが、なぜこのような葉焼けを起こすのでしょうか。
トマトが葉焼けを起こす原因と、葉焼けした時の対策をまとめました。
[トマト 葉焼けしたら]
■トマト 葉焼けしたら
トマトが葉焼けを起こす原因は、1つではありません。
原因が変われば、葉焼けした時の対処法も変わるので、葉焼けした葉を見つけたら、
まずは原因をつきとめるようにしましょう。
原因が分かったら、すぐに対処します。
早めに対策、対処することで、葉焼けによる生育への影響を受けにくくすることができます。
・強い日差し
トマト栽培で葉焼けが起きる原因の多くは、強い日差しによるものです。
トマトの基本となる作型が夏秋栽培であるため、主な栽培期間も夏に集中します。
特に梅雨が明けた後は、それまで曇りや雨が多かった天気が一変し、晴れが多くなります。
さらに気温もぐんと上昇し、日差しも強くなるため、葉焼けを起こすことが多くなるのです。
この場合、よほどひどい状態でなければ、トマトが環境や天候に慣れることによって、
自然と葉焼けしなくなっていきます。
葉焼けした部分は元に戻りませんが、
新しく展開した葉に葉焼けが見られないようであれば、特に問題ありません。
もしどうしても日差しによって葉焼けするようであれば、
夕方以降の西日が当たらないようにしたり、
午後からの日差しが和らぐような工夫が必要となります。
寒冷紗や遮光ネットなどの利用が一般的ですが、フェンスやトレリスと設置し、
そこに日差しに強いツル性植物を這わせてナチュラルに仕上げるのもお勧めです。
・水切れ
トマトは乾燥に強い植物ですが、必要量の水分が確保できなくなると、
葉焼けを起こしやすくなります。
葉焼けは、葉に含まれている水分が急激に抜けることによって、
細胞が壊死した状態です。
そのため、葉の水分が足りていない状態になると、それまでと環境が変わらなくても、
急激に葉焼けを起こすようになります。
軽い葉焼けくらいであれば、適切な水管理に戻すだけで、新しい葉に葉焼けはできません。
ただ、強い日差しや高温によって乾燥が進んでいるのであれば、
土から水分が蒸散するのを和らげるため、マルチを利用するのがお勧めです。
敷きワラなどであれば、通気性や通水性も確保しながら、
直射が土に当たりにくくなるので、乾燥を緩和できます。
もし、水の管理を適切な状態にしても、新しい葉が葉焼けするようであれば、
別のことが原因である可能性もあります。
また、水の管理を適切な状態に戻しても、過乾燥によって根がかなり傷んでいる場合は、
すぐには葉焼けがおさまらないことがあります。
他の原因を探りつつ、過湿と過乾燥に注意しながら、様子を見ます。
・肥料過多
根を傷めることで、トマトが水分を吸収しにくくなり、
水切れを起こして葉焼けとなるケースも多いですが、
根を傷める原因の1つに、肥料過多があります。
過湿や過乾燥も根傷みの原因になりますが、肥料過多による肥料焼けも、
大きな問題になることがあります。
元肥を多く入れすぎたり、植え穴に直接化成肥料を入れ、
肥料と根鉢が触れる状態で植え付けると、肥料焼けを起こしやすくなります。
肥料過多が原因の場合は、肥料効果を薄める、
あるいは肥料を取り除くことで解決する場合が多いです。
栽培用土全体に肥料をたくさん混ぜ込んで肥料焼けを起こしている場合は、
大量の水を流すことによって、肥料を溶かして流すことができます。
大量の水を土に含ませることにより、土中の肥料が水分に溶け、そのまま流れていきます。
これを数日行うことで、ある程度は肥効を薄めることができます。
また、植え穴に直接肥料を入れて肥料焼けを起こしている場合、
植え付けから日が経っていないのであれば、思い切って一度苗を掘り上げてみましょう。
植え穴に入れた肥料が残っているはずなので、それを取り除いてから植え直します。
いずれの方法も、トマトにはストレスが大きくかかる可能性があるので、
その後の経過をよく観察しておいてください。
・強風
葉焼けは、葉の水分が奪われることでも起こります。
水切れや肥料焼けなど、根が水分を吸い上げることができず、
葉の水分が少なくなることもありますが、風によって水分が奪われることもあります。
軽く風が吹き抜ける程度なら、風通しの良い環境ができるので良いのですが、
マンションの高層階などは、強い風が吹き抜けることが多いです。
どの季節でも、風が強く当たれば乾燥が進みます。
乾燥が進んだ葉は、土に水分が多く残っていても、
風に当たった影響で葉が乾燥し、葉焼けを起こします。
風が強く当たる場所で栽培する時は、遮光する時と同じように、
何かで風を遮るようにしましょう。
本格的に防風ネットを設置するのも良いですし、緩和するだけで良いということであれば、
不織布や寒冷紗、防虫ネットなども利用できます。
・カルシウム不足
栽培環境に問題がないのに、葉焼けのような症状が出るという時は、
カルシウム不足が原因かもしれません。
トマト栽培では、カルシウム不足によって、生理障害が起こります。
代表的な生理障害といえば、尻腐れですが、葉焼けのように葉先が変色したり、
枯れこんだように見える症状が出ることもあります。
単純に、土中のカルシウム分が足りていないという場合は、
カルシウムを補給することで改善します。
ところが、土中にカルシウム分が存在しているにも関わらず、
カルシウム不足の症状が出る場合もあるのです。
土中にカルシウムがあるにも関わらず、カルシウム不足が出る主な原因は、
水不足と肥料過多です。
特に土中の窒素分が多い時は、カルシウム欠乏が出やすくなります。
栽培栽培でトマトを健全に育てるためには、栽培環境を整えるだけでなく、
水管理や肥料管理も、とても重要な要素となります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方