トマト 種 吸水させる?
トマトの種
トマトは、種からでも苗からでも栽培ができる野菜です。
苗の植え付け時期になると、お店でもたくさんの苗が販売されますが、
苗の流通がない品種を育てたい場合は、種から育てる必要があります。
苗からよりも種から育てる方が難易度がかなり上がるため、
栽培に慣れてきた頃に、チャレンジしてみようと思う方もいるでしょう。
種から植物を育てる時、種を播く前に種を吸水させることがあります。
トマトの場合は、種を吸水させる必要があるのでしょうか。
[トマト 種 吸水させる?]
■トマト 種 吸水させる?
結論からいえば、トマトの場合、種まきの前に吸水させた方が、発芽率があります。
そもそも、植物の種を播く時に吸水させるのには、理由があります。
1つは、乾燥した種に水分を含ませることで、発芽のスイッチを押すこと。
もう1つが、種の周りにある発芽抑制物質を取り除くことです。
保存していた種は、基本的に乾燥しています。
トマトも例外ではありません。
むしろ保存中は乾燥状態を保つため、
乾燥剤を一緒に入れて保存することもあるほどです。
発芽しないよう、劣化しないように保存するためには、乾燥した状態が良いのですが、
いざ発芽させるためには、水分は必要不可欠です。
乾いたままの種では、うまく発芽のスイッチが入らず、
いつまで待っても芽が出ない、ということもあります。
一晩水に浸けておくことで、乾燥していた種は水分を含み、
休眠状態から発芽する方向へと動き始めます。
ここでもう1つ出てくる問題が、発芽抑制物質です。
種は不用意に発芽しないため、発芽抑制物質を自分自身で出していることがあります。
この発芽抑制物質が邪魔をして、発芽が遅れることがあります。
水に浸けておくことで、種の表面についている発芽抑制物質もはがれやすくなり、
さらに発芽へと進むようになります。
1晩くらい吸水させます(画像はフウセンカズラ)
■吸水させる時の注意点
トマトは種を播く前に、一晩くらい吸水させておきます。
ここで注意したいのが、吸水時間です。
水に浸けておけば、うまくいけばそのまま発根してくるかも、
と思われる方もいますが、そううまくはいきません。
水に浸かった状態というのは、酸素が供給できない状態です。
人間でも、水中にもぐったままでは生きていけません。
これと同じように、トマトの種も呼吸をしているため、酸素が足りずに窒息するのです。
窒息した種は、すでに発芽できるような状態ではないため、
放っておくと水の中で腐ったり、カビや藻がはえたような状態になります。
トマトに限ったことではありませんが、
種に水分を含ませるために水に浸けておくのであれば、一晩くらいで十分です。
それ以上長くなると、発芽不良の原因となります。
ただし、吸水させた後の種を水からあげた後は、すぐに種まきを行います。
水からあげた後は、すぐに種まきを行いましょう
長期間の吸水は危険だと、水からあげた状態で放っておくと、
今度は種がまた乾燥していきます。
せっかく吸水させて発芽スイッチを入れているのに乾燥すると、
今度は乾燥が原因で発芽不良を起こします。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方