トマト 一番花
一番花、なぜ重要なの?
トマトを育てていると、
・一番花が開花してから苗を植えるようにする
・一番花には必ず実をつけるようにする
とよく書かれていたり言われたりしませんか?
しかし、その理由がよく分からない、
本当に理由はあるのかと思ったことはないでしょうか?
これには、しっかりとした理由があるんですね。
まず、植物が生長するには、二つの生長があります。
この植物の二つの生長について理解できると、
一番花の重要性を納得できると思います。
[トマト 一番花]
■栄養生長と生殖生長
植物が生長する過程で「栄養生長」と「生殖生長」の二つがあります。
それぞれどのような生長の違いがあるのかご紹介します。
・栄養生長とは
葉や茎のことを栄養器官といい、
植物の体をつくるための生長のことを栄養生長と呼びます。
植物の生育には光合成が不可欠です。
生育に必要な光合成を行うために葉や茎を形成します。
植物が栄養を作るための行動が栄養生長です。
・生殖生長とは
花・果実・種子などを植物の生殖器官といいます。
植物が子孫を残すためにつくられる生長のこと、
具体的には、発蕾・開花・結実を生殖生長と呼びます。
トマトで言えば、開花から着果までの過程が生殖生長になります。
実をつけるということは、植物が子孫を残そうという行動ですね。
トマトが分類されるナス科、その他ウリ科、マメ科の野菜は、
栄養生長と生殖生長が同時に行われます。
生育の初期の段階では、葉や茎を作る栄養生長が行われ、
第一花房に実をつける頃から生殖生長が行われます。
一番花を着果させると、ご覧のとおり♪
■一番花の重要性
一番花がしっかり着果しないと、
トマトはここは子孫を残せない、つまり生殖生長がしにくいので、
葉や茎を伸ばして自分が生長しよう=栄養生長を優先しよう、
と判断し茎葉を伸ばす方向に作用してしまいます。
このことでその後の第二花房、第三花房は、
実のつきが少ない、悪いということが起きてしまいます。
トマトを栽培する場合、
栄養生長と生殖生長は程よいバランスを保たなければなりません。
その生長バランスの第一歩が一番花となるわけです。
第一花を咲かせ、着果することでその後の生育が安定します。
トマトの一番花が着果できないと、
その後に咲いた花もあまり着果しない傾向が強くなります。
虫が少ない地域、環境では人工授粉をすると着果しやすいです
◎人工授粉する
トマトの苗の植え付け頃、虫が少ない、来ない環境の場合、
人工授粉するのが確実です。
一段目の花が咲いたら、軽く指ではじいて花粉を飛ばしたり、
筆や綿棒で軽くこするなどして、人工受粉をしてあげます。
実付きが格段に良くなるので、お試しください。