トマト ホルモン処理
トマトトーンで着果、色づいてきた大玉トマト(06.23)
トマトが実をつけるためには、受粉が必要です。
トマトの花には、雌しべと雄しべの両方がついていますから、自家受粉ができます。
*自家受粉とは、自らの花の中で受粉を完結できることです。
花や枝が風で揺れたり、花粉を運ぶ虫やその振動で受粉することができます。
2段目以降であれば、風や虫に任せきりにしておいても良いですし、
簡単な人工受粉をするだけでも構わないのですが、
1段目(第一花房)の受粉は2段目以降の受粉に比べてとても重要です。
トマトの性質上、1段目の花がきちんと受粉して着果し実が肥大することで、
草勢を抑え樹勢が維持され、それ以降の着果率が安定します。
1段目で受粉に失敗すると、その後の実付きがダメになるわけではありませんが、
1段目を確実に着果させておいた方が着果率が良くなることは事実です。
1段目の受粉も、風や虫による受粉や人工受粉でも良いのですが、
確実に着果させるために使われるのがトマトトーンなどホルモン剤です。
ホルモン剤はホームセンターや園芸店などで市販されています。
誤った使い方をすると、着果しないこともあるので使用方法を熟読します。
[トマト ホルモン処理]
■ホルモン処理が必要なケース
トマトが受粉し着果するためには、
雌しべの先端に雄しべから出る花粉が付く必要があります。
ミニトマトは、自然着果しやすいですが心配なら処理しておきましょう。
花粉が雌しべに付くために必要なのが、風による揺れや虫による接触と振動です。
ところが、風も虫も期待できない環境があります。
それは、ビニールハウスや都心、高層住宅などです。
貸農園や広い畑を持っているのであれば、
資材を設置した大がかりなハウスでトマトを栽培することがあるでしょう。
この場合、ハウスはビニールなどで囲われた空間になっているため、
外で風が吹いていても中まで入ってこないことが多いです。
虫の場合も、同じようにハウス内に虫を入り込むことも少ないため、
風や虫による受粉が難しくなります。
また、真夏の35℃以上の温度では、トマトの花粉が出にくくなり、着果率が下がります。
とくに、トマト栽培のプロの方にとっては、着果を極力安定させたいところです。
こういったケースでは、人工受粉やとホルモン処理が必要となってきます。
一般的な庭での家庭菜園や、ベランダでの栽培でも、
トマトの周りをビニールなどで覆ったり、簡易なハウスで栽培している場合には、
ホルモン処理で着果を安定させることができます。
■ホルモン処理の方法
ホルモン処理と聞くと、ものすごく難しく危険なことのように感じますが、
実際はそんなに難しくも危なくもありません。
ここではトマトに使えるホルモン剤の代表である、
「トマトトーン」を使った処理法をご紹介します。
トマトトーン、希釈タイプ
トマトトーン、スプレータイプ
1.希釈液を作ります
トマトトーンの場合、散布する時の気温によって濃度が変わります。
気温が20度以下の低温の場合は、50倍(トマトトーン20cc+水1000cc)に薄めます。
20度以上の高温の場合は、100倍(トマトトーン20cc+水2000cc)に薄めます。
*トマトトーンには、希釈するタイプと、そのまま使えるスプレータイプがあります。
初心者や株数の少ない方には、スプレータイプの方が使いやすいでしょう。
1段目の花房に3個~5個の花が咲いたときが散布のタイミングです
2.花に散布します
1段目の花房のうち、3個~5個の花が咲いた頃が散布のタイミングです。
花に霧吹きや噴霧器などを使って散布しましょう。
あるいは、紙コップなどの容器に希釈液を入れ、
そこに花を浸ける方法もありますが、コツが要ります。
容器の場合は長時間浸ける必要はありません。
茎を折らないよう、気をつけて浸けるようにします。
スプレーするときは、生長点にかからないようにします
◎注意点
濃度を高くすれば効果が高くなるというものではありません。
必ず決められた濃度まで薄めて散布します。
また、トマトトーンの場合、散布できるのは1段の花に対して1回までです。
複数回のホルモン処理は、奇形果になることもあるので避けます。
今回はトマトトーンを使用した場合のホルモン処理法です。
他のメーカーのホルモン剤を使用する場合には、
使用法やタイミング、希釈液の濃度などが違うことがあります。
必ず使用量や用法を確認してから、ホルモン処理を行ってください。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方