トマト ツイン 苗
2本仕立ての大玉トマト ズッカ、しかし主枝が2本ある苗が売られているのです!
トマト苗は、定植の時期になると、お店にたくさん並びます。
ホームセンターなどでよく見かける、家庭菜園用のトマト苗といえば、
主枝が1本のものが基本です。
実は、プロの生産者用の苗の中には、
主枝がすでに2本になっている苗が存在します。
主枝が2本になっている苗を、ツイン苗などと呼びますが、
ツイン苗とはどのようなものなのでしょうか。
[トマト ツイン 苗]
■トマト ツイン 苗のメリット
ツイン苗とは、発芽したトマトの苗の生長点を切り、
脇芽を2つ同時発生させることで、主枝を2本にした苗のことです。
一般的な主枝2本仕立ては、定植後に主枝と、
伸びてきた勢いのある脇芽を育てて、主枝2本として育てます。
ツイン苗の場合は、定植時にはすでに主枝が2本の状態になっているため、
栽培途中に仕立ての変更をすることなく育てられます。
そんなツイン苗は、プロの生産農家で栽培されることが多いそうなのですが、
1本仕立ての苗に比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。
・樹勢が安定
トマトにはたくさんの品種があります。
中には、樹勢がかなり強く、暴れやすいものもあります。
プロの農家であっても、樹勢のコントロールが難しければ、
それだけ手間と労力がかかります。
ツイン苗の場合、主枝が2本になっているので、
生育初期から勢いが分散します。
通常の2本仕立てに比べて、かなり早い段階から2本仕立てになっているため、
栽培途中で急に勢いを分散させるよりも、樹勢が安定します。
2本仕立ては、草勢のコントロールがしやすく多収になります、ボンリッシュ
・手入れのタイミングが揃う
栽培途中から2本に仕立てると、どうしても生育スピードが違ってきます。
最初から伸びていた主枝と、途中から発生した脇芽では、
いくら脇芽の勢いが強くても、生育に差が出て当然です。
その点、ツイン苗はかなり小さいうちから2本仕立てになっているため、
生育のずれがほぼありません。
生育にずれがなければ、必要となる手入れも同じタイミングで行えるので、
毎日見回ってこまめに見る必要がなくなります。
家庭菜園のように株数が少なければ、
こまめに見回っても大した労力ではありません。
けれど、たくさんのトマトを育てている生産農家では、
少しのことがかなりの労力削減に役立つのです。
・コストカットできる
2本仕立ては、1本仕立てよりも収量が多くなるといわれています。
1株1主枝で栽培した場合は、1本分の実しか収穫できませんが、
主枝が2本ならある程度は増える計算になります。
ただ、途中から2本仕立てにした株の場合、段飛びと呼ばれる状態になり、
思った箇所に果房がつかないことがあります。
ツイン苗の場合、そういった段飛びの発生が非常に少なく、
主枝1本で育てている時と同じように、スムーズな果房発生がのぞめます。
■トマト ツイン 苗
トマトのツイン苗は、市場にあまり出回りませんが、苗を作っている会社はあります。
購入希望の場合は、直接そちらの会社に問い合わせると早いです。
・ベルグアース株式会社ツイン苗
生産者向け、家庭菜園向けの両方の苗を作っている会社です。
生産者向け苗の中に、ツイン苗があります。
ベルグアースが扱っているツイン苗は3種類あり、好みによって選ぶことができます。
1つ目は、無農薬セルツイン苗です。
子葉の上を摘心することで、2本の脇芽を同時発生させた苗です。
2つ目は定食らくらくアースツイン苗で、
3つ目は大苗バッチリ定植ポットツイン苗です。
どちらも本葉3枚目を摘心し、第1本葉と第2本葉の脇芽を伸ばして、
ツイン苗に仕立てています。
両者の違いは、販売時の株のサイズです。
大苗バッチリ定植ポットツイン苗の方が大きく、ガッチリとしているのが特徴です。
・サカタのタネ ツートップ苗
国内でもトップクラスの種苗メーカーとして有名な、
サカタのタネからも、ツイン苗が出ています。
サカタの苗では、ツイン苗という名前ではなく、
「ツートップ苗」という名前で販売が開始されています。
子葉の上を摘心して、2本の脇芽を伸ばしています。
かなり小さいプラグ苗での販売なので、輸送費が削減できるのも嬉しいところです。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方