トマト イオウ欠乏
トマトは、土に含まれている様々な養分を吸って、株を大きくして実をつけます。
土に含まれる養分の種類は多く、基本となるのは窒素・リン酸・カリの3つですが、
この他にもマグネシウムやカルシウム、イオウ、鉄などがあります。
どれが足りなくてもうまく生育できなくなりますが、今回はイオウが足りなかった場合に、
どのような症状が出るのかをご紹介します。
イオウ欠乏になった時の症状や原因に加え、対策もまとめました。
[トマト イオウ欠乏]
■主な症状
・上位葉が黄変
イオウ欠乏の症状は、葉の黄変です。
他の生理障害でも、葉の黄変が症状として出ることが多いですが、
イオウ欠乏の場合は、株全体を見た時に、上部の葉が黄変します。
下位の葉は健全な状態に見えるけれど、上位になるにつれ、
黄変が目立つのであれば、イオウ欠乏の可能性が高いです。
葉の黄変以外の、葉の矮小化や巻き、枯死などの症状は、イオウ欠乏では見られません。
生育初期に症状が出ることはあまりなく、生育中期～後期にかけて出ることが多いです。
■主な原因
・無硫酸根肥料の使用
イオウ欠乏は、あまり起こらない生理障害ですが、
土の中のイオウ分が低くなれば、欠乏症状が出ます。
土のイオウ分がなくなる原因となりやすいのが、
長年にわたって硫酸根を含んだ肥料を使っていないことです。
一般的な家庭菜園では、こういったことは起こりにくいですが、
農家でハウス栽培をしている場合などに、起こることがあります。
■対策
・イオウ含有肥料を使う
イオウ欠乏を予防する対策法は、とても簡単です。
硫酸根を含んだ肥料を使用、あるいは資材を利用すれば、
簡単にイオウ分を補うことができます。
硫安、過石、硫加など、イオウを含む資材はいくつもあり、
ホームセンターなどでも市販されているので、入手しやすいです。
■判断基準
葉が黄化する症状は、窒素欠乏でも出やすい症状です。
窒素欠乏の場合は、下位葉から症状が出やすく、
イオウ欠乏では上位葉から症状が出るので、区別することができます。
また、黄化した葉の葉脈が鮮やかに残っている場合は、
イオウではなく鉄が足りていない可能性が高いです。
上位葉が黄化すると、モザイク症状と混同することがあるので、よく観察しましょう。
モザイク症状と判断できた場合には、ウィルス病の可能性が高くなるので、
できれば専門家の診断を仰ぎます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
