なつのこまトマト
なつのこまトマト
なつのこまトマトという、調理用品種があります。
調理用トマトは、ローマV.F.やサンマルツァーノ、しゅほうなどが有名ですが、
なつのこまトマトも調理用の品種の中では育てやすく人気があります。
1玉がだいたい50gくらいと、中玉トマトではあるものの、
他の調理用トマトに比べると少し小さめです。
一般的な支柱を必要とするトマトと仕立て方が異なるので、注意します。
なつのこまトマトは、1玉が50gほどで、球形というより少し縦長の形です。
ですがプラム型やペア型ほども長方形の形をしていないので、
ちょうど球形とペア型の中間のような形をしています。
色はヘタの際まで真っ赤で、その色は火を通した後でもきちんと残ります。
トマトの味を料理に加えるだけでなく、その赤さを生かすことができます。
ケチャップやソース、ペーストなどにすると、キレイな色に仕上がるのでお勧めです。
果肉は調理用トマトらしい、肉厚で硬めです。
完全に煮崩れさせるソース系や、炒め物の具としても使うことができます。
なつのこまトマトを半分に切って炒めたところに、とき卵を加えて炒めると、
卵の黄色になつのこまの赤色がとても映えます。
糖度はそれほど高くなく、だいたい5度~6度程度です。
けれどほどよい酸味があるおかげで、甘みが引き立ち、
トマトとしての旨みも強く感じられます。
この甘みと酸味のバランスの良さが、なつのこまの強みです。
バランスの良いトマトの味わいが、ソースとして煮詰めるとさらに強まるため、
たくさん収穫できた時には、ペーストなどにして保存しておくのがお勧めです。
常備すると、トマト料理だけでなく、シチューやカレーなどの隠し味としても使え、
ミートソースなども本格的な味に仕上がります。
何より、自分で育てて収穫したトマトを、加工して保存しておくことで、
安心・安全な調味料がいつでも使える状態となります。
皮をつけたまま調理しても良いですが、より滑らかな食感を求めるのであれば、
湯剥きをしてからソース類にすると舌触りが良くなります。
なつのこまトマトで、ミートソースも本格的な味に
◎芯止まり性品種の育て方
なつこまトマトが他の一般的なトマトと違う点は、芯止まり性があることです。
芯止まり性とは、一般的な品種のように、主軸がどんどん上へ伸びていくのとは違い、
わき芽を育てて実をつけさせるのが主となる性質です。
最初の主軸には2段目まで花房がつきますが、それ以降はまず枝が伸びません。
そのため、花房の下から伸びるわき芽を伸ばし、花房をつけさせます。
この2番目の主軸となったものにも、2段目までしか花房はつきません。
また花房の下から伸びるわき芽を伸ばして新しい主軸とし、花房をつけさせます。
2段目まで花房をつけたら、わき芽を伸ばして新しい主軸にすることを繰り返し、
実を付けさせるのが芯止まり性の仕立て方となります。
2段目の花房までは通常と同じですが、そこから先は横へ横へと広がっていくため、
一般的なトマトのように支柱は必要ありません。
いわゆる地這い栽培となるため、少し広めのスペースが必要となります。
また、地面に近い位置に葉や実がつくため、
できれば泥の跳ね返りを予防するために、ワラなどを敷いておくようにします。
通常のトマトであればわき芽はほぼすべて摘み取るのが基本ですが、
芯止まり性の場合は、わき芽を伸ばして新しい主軸とするため、
わき芽を摘むと収穫量が激減してしまいます。
基本的には新しい主軸として伸ばすわき芽以外は摘み取るようにします。
すべてのわき芽を放任しても良いのですが、過繁茂になりやすいため、
わき芽かきによって草勢をコントロールした方が無難です。
なつのこまトマトは、生育も旺盛なので、特に過繁茂になりやすい品種です。
不要なわき芽を摘んで整理することも大切ですが、
肥料や水などを必要以上に与えないように注意します。
肥料は草勢を見ながら控えめに与えるようにすると、失敗が少なくなります。
過繁茂に注意して樹ボケ状態にならなければ、性質は強くて生育も旺盛なので、
今まで調理用のトマトを育てたことがない方にもお勧めです。
実の1つ1つは調理用のトマトにしては小さいですが、
実が小さい分、着果から収穫までの期間が短くなるのは利点です。
[なつのこまトマト]
■特徴
・調理用のミディトマトです。
・1玉50gと小さめです。
・形は縦に少し長い形をしています
・色は真っ赤で、ヘタの際までよく色づき、火を通しても色がよく残ります。
・糖度は低めですが、ほどよい酸味があるのでバランスのとれた味わいです。
・果肉はよく詰まっていて硬めです。
・萎凋病と半身萎凋病に抵抗性があります。
■栽培のコツ
・芯止まり性の品種のため、支柱は不要です。
・芯止まり性の仕立て方に準じます。
・生育が旺盛なので過繁茂にならないように注意が必要です。
・肥料は控えめにしておくと失敗が減ります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方