トマト 黄化葉巻病の防除
黄化葉巻病は、感染すると生長点付近の葉の縁が黄色く変色し、
葉が巻くという症状が出ます。
症状が進むと、葉脈を残して黄化していきます。
ウィルスが原因の病気のため、収獲やわき芽かき、
摘葉などの作業を行っているうちに、知らずに感染を広げてしまうことが多いです。
生長点から症状が出るため、感染・発症した株はその後の生育が見込めず、
大きく収量が落ちる原因となります。
事実、この病気が原因で収量が激減し、大きな打撃を受けた農家もいます。
近年では、農家レベルだけでなく、家庭菜園でも発生することがあるため、
トマトがかかる病気の中でも、特に注目されています。
そんな黄化葉巻病を防除するためにできることは、何かあるのでしょうか。
[トマト 黄化葉巻病の防除]
■黄化葉巻病の防除
黄化葉巻病に感染する原因は、
トマトの害虫であるタバココナジラミが媒介することです。
このタバココナジラミの被害を防ぐことができれば、
黄化葉巻病も同じく防除しやすくなります。
ただし、最初はタバココナジラミが原因ですが、
感染後は人の手などによって蔓延することが多いのも事実です。
タバココナジラミ対策を行うだけでなく、日々の見回りを怠らず、
異変のある株がないかをチェックしておきましょう。
・細目のネットを張る
防虫ネットを張ることで、タバココナジラミの成虫をトマトに近づけないことができます。
ただし、タバココナジラミは、とても小さな虫です。
ネットの目が広いと、難なく侵入されてしまうので、必ず目の細かい物を選びます。
目安は、0.4mm以下です。
ネットを設置すると、成虫の侵入は防げますが、同時にネット内の風通しが悪くなります。
トマト栽培は夏に行われることが多く、風通しの悪いネット内は高温になりやすく、
作業する人にとっても、実を育てるトマトにとっても辛い環境となります。
また、この高温を下げるため遮光することもありますが、日照不足を助長するため、
あまりお勧めできません。
・黄色い粘着テープを設置
タバココナジラミは、黄色い色に寄る性質があります。
これを利用したのが、黄色い粘着テープです。
ホームセンターや園芸店などでも、園芸用の黄色い粘着テープが販売されています。
吊るすタイプや地面に挿すタイプなど、種類もあるので、
設置したい場所によって選ぶと良いでしょう。
・天敵を利用する
タバココナジラミにも、天敵はいます。
オンシツツヤコバチ、サバクツヤコバチ、スワルスキーなどがおもな天敵です。
ただ、天敵も生き物のため、一か所にとどまってくれない場合も多いです。
ハウス栽培などでは、ハウスという囲われた場所なので、有効な手段です。
完全に駆逐できるわけではありませんが、
数を減らして感染の可能性を減らしてくれます。
・薬剤の利用
どうしても発生が多い場合は、やはり薬剤に頼ることも考えましょう。
アクラタやコロマイトなど、使える薬剤の種類も多いです。
ホームセンターやインターネットで購入できるものも多く、入手しやすいです。
ただし、必ず使い方や使用量、使用回数、
使用時期を確認し、適切に使うようにしましょう。
また、コナジラミの中には、薬剤に耐性のある種類もいます。
薬剤をもってしても、完全な防除は難しいでしょう。
・耐病性を持つ品種を選ぶ
トマトには、たくさんの品種があります。
黄化葉巻病に対して、耐病性を持つ品種も、以前からありました。
ただ、黄化葉巻病に耐病性を持っている品種は、色つやが悪かったり、
育てにくかったり、はたまた食味があまり良くなかったりと、実用的ではありませんでした。
最近、ようやく育てやすく、見た目も食味も良い品種が出てきました。
代表的な品種は「桃太郎ピース」です。
草勢は大人しいですが、210g~220gほどの大玉が収獲できますし、
玉張りが良くキレイな実が収穫でき、食味も良好です
この他にも「桃太郎ホープ」「有彩」「豊作祈願」「風林火山」「麗旬」など、
ぞくぞくと新しい品種も出てきています。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方