マラケシアンヒップ
マラケシアンヒップ C)マウロの地中海トマト
マラケシアンヒップは、マウロの地中海トマトシリーズの1品種です。
日本で今まで主流だったトマトとは、一味も二味も違った魅力を持っています。
果実の色、大きさ、味わいなどとても個性的で美味しいです。
マラケシアンヒップが持つ特徴と、栽培のコツをご紹介します。
[マラケシアンヒップ]
■マラケシアンヒップ
◎特徴的なブラウンカラー
日本でのトマトの色といえば、やはり赤です。
大玉トマトの場合、桃太郎というピンク系品種が主流となっていますが、
ピンク系といっても赤と表現されることがほとんどです。
中玉やミニになれば、一昔前までは真っ赤な色のものしかありませんでした。
現在は、ミニトマトは種類が豊富になり、日本でも赤だけでなく、
黄色やオレンジ、黒、紫などのものを見かけるようになりました。
マラケシアンヒップは、なんといってもそのカラーが特徴的です。
日本ではほぼ見かけることのない、ブラウンの色をしています。
しかも、着色が均一ではなく、少しムラが出ることが多いため、
全体がゆるいマーブル状に見えることもあります。
マラケシアンヒップのマラケシアンとは、
マラケシュというモロッコの1都市からきている言葉です。
マラケシアンヒップは、マラケシュの女性のお尻をイメージしてつけられた名前です。
こんもりとした豊円形の実から、
マラケシュの美しい異国情緒あふれる女性の後ろ姿を連想したのかもしれません。
◎GABAが2倍
マラケシアンヒップは、一般的なトマトとは違い、ブラウンカラーをしています。
そのためか、一般の赤いトマトよりも栄養分が豊富なのが特徴です。
トマトに多く含まれているというリコピンは、通常の3倍ほど含まれているそうです。
それだけでなく、現代社会で受けやすくなっているストレスを軽減してくれるという、
GABAも通常の2倍含まれているそうです。
見た目も特徴的で、しかも栄養も豊富となると、
食味が悪いのではと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
マラケシアンヒップは、果肉が厚めではありますが、
硬すぎず柔らかすぎずの上品な食感です。
近年流行している糖度の高いトマトと比べると、甘みが強くありませんが、
その分少し強めの酸味が、トマトらしい懐かしい風味を思い出させてくれます。
見た目は新しいですが、食味は懐かしい不思議なトマトです。
おいしいトマトを食べて、美容にも健康にも効果があるなら、
これほど嬉しいことはありません。
◎日本でも栽培しやすい
見た目が珍しいトマトは、育て方が難しそうで敬遠しがちです。
特に家庭菜園では、初心者は手が出せないと思われることも多いです。
けれど、マラケシアンヒップをはじめとするマウロの地中海トマトシリーズの品種は、
どれも日本でも育てやすい性質を持っています。
ただ、マラケシアンヒップの場合は、1つの実が80g~100gほどになります。
一般的な中玉トマトが50g前後、大玉トマトが150g以上のため、
ちょうど中玉と大玉の中間くらいのサイズになります。
ミニトマト・中玉トマト・大玉トマトの中では、ミニトマトが一番育てやすく、
そこから大玉になるほど難しいというイメージがあります。
そのため、大玉トマトに近いサイズまで育つマラケシアンヒップは、
栽培が難しいと感じることがあります。
途中で枯れてしまうというよりは、思ったほど実が肥大しない、
という点で悩むことが多いです。
草勢にもよりますが、摘果をして実の数を制限することで、肥大不良を軽減できます。
■特徴
・1個が80g~100gほどで、中玉と大玉の中間くらいのサイズに育ちます。
・形は豊円形と普通ですが、表皮の色がブラウンカラーなので特徴的です。
・糖度は高くありませんが、爽やかな酸味と懐かしいトマト本来の食味が楽しめます。
・果肉は上品な食感で、食べやすいです。
・一般的なトマトに比べ、リコピンが3倍、GABAが2倍も含まれています。
・草勢は中程度、草姿がすっきりとしているため、採光と風通しが良いのが特徴です。
・萎凋病、半身萎凋病に耐病性があります。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般的なトマトと同じです。
・草勢が強いと裂果しやすくなるので、窒素は控えめに調整します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方