トマトとナス 一緒に植える
Q:庭のスペースが狭いのでトマトとナスを隣同士で育てています。
トマトは水を少なく、ナスは水を多く与えると書いてありました。
どちらに合わせて水やりをすれば良いか迷っています。
トマトとナスは、やはり離れた場所で育てた方が良いでしょうか?
A:まずは試しに育ててみることが大切です。
[トマトとナス 一緒に植える]
トマトとナスは、確かに好む水分量が異なります。
水分量だけでなく、肥料の量も少し違います。
トマトはどちらかというと、乾燥気味の方がうまく育ち、
肥料も多肥でない方がうまく育ちます。
ナスはどちらかというと水を好み、最初の実が着果した後は、
ある程度の肥料も必要になります。
ただ、だからといって隣同士では絶対に失敗する、というわけでもありません。
どれくらい株間をあけているか、どのような環境で育てているかによって、
成功率は変わります。
家庭菜園では、商品として出荷する目的ではなく、
自分の手で野菜を育てるということ、その育てた野菜を実際に食べるということに、
楽しさや喜びの比重が傾くものではないでしょうか。
そう考えれば、必ずしも形が良く、
大きさもそろった実ばかりが収穫できなくても問題はありません。
家庭菜園も、まだ始めたばかりなのであれば、自宅の栽培スペースに対して、
どのような野菜をどれだけ育てられるか、
季節による日当たりや気温の変化などに関しても、まだまだデータが足りない状態でしょう。
色々なことを知るためにも、まずはやってみることが大切です。
トマトとナスに関してですが、隣同士で育てることによる注意点や、
メリットなどをまとめました。
・スペースを有効活用しやすい
トマトもナスも、同じナス科です。
家庭菜園で人気のある野菜は、
連作障害が起こりやすいものが多いですが、
栽培スペースも限られているため、輪作の位置を考えるのも難しいものです。
連作障害は、科ごとに起こりやすくなるため、
輪作する時も科ごとに移動させた方が効率的です。
そのため、同じナス科であるトマトとナスも、近い場所で育てておいた方が、
輪作の順番や場所を決めるのが楽になります。
・株間は必要
トマトとナス、どちらも苗のうちは小さく、同じような株幅に見えます。
けれど、育っていくうちに、どんどん株姿が変わっていきます。
仕立て方にもよりますが、
一般的にトマトは主枝1本で上方に伸ばしていくため、縦長に育ちます。
対してナスは、主枝を2本~4本育てて伸ばすため、縦より横に広がります。
生長した時の姿が異なるため、トマトがナスの陰を作って日照不足となったり、
トマトの枝が邪魔でナスが横に伸ばせないという可能性が出てきます。
限られた栽培スペース内で、広い株間をとるのは難しいこともありますが、
できるだけ株間をあけておいた方が、生長した時の管理が楽になります。
特に地植えで栽培している場合、プランターや鉢のように後で動かすことができない上に、
根が育つスペースが広いので、大きく育ちやすいです。
できれば50cm以上の株間を作っておくと、育った時にお互い干渉しにくくなります。
・水やりのコツ
トマトとナスでは、欲しがる水の量は確かに違います。
ただ、土が乾いた時に水を与えるということに関しては、どちらも同じです。
では何が違うかというと、根が乾燥に強いかどうか、
実が育つために水が必要かどうかです。
ナスは水が足りないと根が傷み、実も石ナスのように硬くなってしまいます。
けれどトマトは、乾燥気味であっても根が傷みにくく、
根の給水力が強いため、実もちゃんと育ちます。
また、ナスは葉がトマトと比べて平たく大きいので、
蒸散量が多いという点も、水を欲しがる理由でしょう。
どちらにもまったく同じ水やりをしていると、トマトには水が多くなりすぎる、
あるいはナスには水が足りない状態になる可能性があります。
けれど、無理に水やりをする必要はありません。
例えば、土全体が乾いている状態なら、両方の株元に水をたっぷり与えます。
けれど、トマトはまだ水やりは必要ない、
けれどナスには水を与えたいという場合は、ナスの株元にだけ水やりを行います。
もちろん地続きになっているので、トマトの方にも水は回りますが、
株元に直接与えた時ほどではないはずです。
さらに、トマトの方にだけ雨よけをしておくと、
雨が降った時に余計な水分を含むことも減るのでお勧めです。
・畝の高さを変える
苗を植え付ける時、土が平らなままで植えているのか、
それとも畝を立てて植えているのかによっても、水はけが変わります。
畝を作ることで、平らなまま植え付けるよりも水はけが良くなります。
同じ高さと幅の広い畝に植えるのも良いですが、栽培する株数が少ないのであれば、
それぞれ個別の鞍つきと呼ばれるやり方もお勧めです。
鞍つきは、スイカ栽培などでよく使われる方法で、1株ごとの円形畝です。
株ごとに畝を作るので、水はけの調整がしやすいのが利点です。
トマトは高めの畝に、ナスは低い畝にすることで、
水もちや水はけの調整を行い、水管理がしやすい環境が作れます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方