セル苗 ポット苗 特徴

トマトの育て方.com

セル苗 ポット苗の特徴

読了までの目安時間:約 7分

 

スポンサードリンク

市販のトマト苗は、ポットに植えられていることが多いです

 

 

トマトを種から育てる時、セルやポットを使って育苗します。
この時、セルにするかポットを使うか迷いますね。

 

苗から育てる場合、販売されている苗はほとんどがポット苗です。
けれど、中にはセル苗を販売していることもあります。

 

セル苗、ポット苗、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

 

 

■ポット苗の特徴

現在販売されているトマトの苗のほとんどは、ポット苗です。
種から育てる方も、ポットを利用して育苗するという方は多いでしょう。
>>育苗ポットの管理

 

ポット自体もホームセンターなどで安価で販売され、入手しやすいです。
トマト以外の苗の育苗にも使えるので、ポットは便利です。

では、ポット苗の場合、本当に長所だけなのでしょうか。

 

・ポット苗の長所
ポット苗の長所は、なんといっても管理のしやすさです。
トマト苗だけでなく、野菜苗をはじめとする植物の苗は、
3号サイズのポットに入っていることが多いです。

 

ポット苗の方が扱いが慣れているという方も多いでしょう。
トマト苗の定植適期は、1段目の花がついた頃です。
この頃まで育てるのも、ポット苗であれば比較的簡単にできます。

 

葉と茎を茂らせる栄養生長と、花を咲かせて実をつける生殖生長の、
バランスがとれている苗のため、定植後に樹ボケを起こす可能性も少ないです。

 

・ポット苗の短所
ポットのサイズが最初から3号ほどと大きく、それに見合うだけの用土を入れると、
どうしても苗1株の重さがセル苗に比べると重くなります。

 

家庭菜園で数株ほどを植え付けるだけなら、
ポット苗くらいの重さであっても特に何も感じません。

 

しかし農家や大規模な菜園で、たくさんの苗を植え付けるとなると、
この重さと用土の差は作業効率を悪くすることがあるのです。

 

また、ポットだとスペースも多く必要で、土が大量に必要になるという点は、
たくさんの苗を作る場合は欠点となります。

 

 

■セル苗の特徴

 

 

 

セルトレー(プラグトレー)は、小さな穴がたくさんあいているトレーです。
苗をホームセンターで購入する方にとっては、
あまり馴染みのないものかもしれません。
>>セル苗の栽培管理

 

インターネット通販などで、大量に苗を購入する場合、
セル苗が販売されていることがあります。

 

実店舗ではあまり見かけることのないセル苗ですが、
わざわざセル苗にする長所はあるのでしょうか。

 

・セル苗の長所
セル苗の意外な長所は、根の勢いが強くなり、株自体にスタミナがある点です。
若い苗は、強く根が張る性質があり、若苗であるほど根の張りが強くなります。

 

そのため、ポット苗よりも小さいセル苗は根の勢いが強く、体力がある苗となります。
ポット苗だと、栽培後半にはバテてしまう場合も、
セル苗だと栽培後半まで勢いが弱まらず育てることができます。

 

また、セル1穴のスペースがとても小さいため、
種を播く時に入れる用土の量もとても少なくて済みます。

 

1穴が小さい分、育苗スペースもポット苗より狭くできます。
小さいうちに定植となるため、種まき~定植までの期間が短くて済みます。

 

育苗中の作業が手間が少ないので、育苗期間が短くなるのは助かります。
また定植時期には、苗が小さく、セル内の土量が少ないので1苗の重さが軽いです。

 

たくさんの苗を定植する場合、労働量が軽減されるようになります。

 

・セル苗の短所
長所だけを読んでいると、セル苗に悪いところはないように感じますが、
もちろん短所もあります。

 

ポット苗のように、大きく育ってから定植するわけではないので、
栄養生長と生殖生長のバランスが悪くなることがあります。

 

定植後、繁茂し過ぎる、枝が太い、花房の先端からまた花房が伸びるような、
異常枝が多くなるため、樹勢のコントロールが必要となります。

 

さらに、樹勢が強すぎるゆえに、開花時期がばらつきやすく、
安定させるのに苦労することがあります。

 

着果した実が、でべそ状態となって奇形になることもあります。
実が収穫できればまだ良いですが、最悪は樹ボケ状態となり、
ほとんど収穫ができないこともあります。

 

苗が小さいうちに定植をするので、ポット苗と同時期に定植をしたのでは、
実の収穫が始まるまでに時間がかかります。

 

そのため、ポット苗と同じくらいの時期に収穫を始めるには、
定植後に生長する期間を計算して、定植時期を早める必要があります。

 

定植時期を早めるということは、一般的なトマトを定植する時期よりも、
天候や気温が安定しない時期に定植するということになります。

 

定植後の管理が、草勢管理も含めると難しいところが、
セル苗の最大の短所でもあります。

 

トマトの栽培中に起こる害虫被害で深刻な、
センチュウ類の攻撃を受けやすいということもあります。

 

セル苗を利用してトマト栽培を成功させるには、
慣れや技術が必要な部分が多いので、初心者にはやや難しいかもしれません。

 

また、セルとポットで育苗してみて、その違いを体感するのも面白いです。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方

・ミニトマト わき芽かき


スポンサードリンク

 

タグ :  

トマト 種からの育て方

この記事に関連する記事一覧

■人気の記事!