トマト 生理障害

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トマト 生理障害|原因と対策

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元気に育って欲しいトマト

 

 

トマトを育てていると、実が割れたり、腐ったようになったり、
というような症状が出ることがあります。

 

慣れていないと、病害虫の被害かと驚くことも多いですが、
実はこういった症状の原因は病害虫とは限らないのです。

トマトが起こす生理障害の原因と対策をご紹介します。

[トマト 生理障害|原因と対策]

 

 

■トマトの生理障害

 

生理障害とは、カルシウムやホウ素などの微量成分等の養分が不足したり、
育てている環境が悪化することが原因で起こる症状を指します。

 

トマトの場合、最も知られている生理障害が尻腐れです。
ヘタと反対側のお尻の部分が、茶色~黒っぽい色になり、
腐ったように凹んでくる症状です。

 

他にも、芯腐れ果やすじ腐れ果、窓あき果、チャック果、空洞果、裂果、葉枯れ症、
といった症状が、トマト栽培では起こりやすいです。

 

これらの症状は、菌が入り込むことによって起こる病気とは違い、
注意していれば発生を抑えられ、早い段階で改善することも可能です。

 

症状をよく覚えておき、思い当たる症状が発生した場合は、
原因を突き止めて対策をとり、状態を改善させるようにしましょう。

 

 

トマトの尻腐れ

 

 

■トマトの生理障害の原因

 

トマトが生理障害を起こしやすくなる原因は、色々とあります。

 

栽培環境や育て方に問題がないと思っていても、
実は生理障害を起こしやすい状態になっていることはよくあります。

 

生理障害になる原因を知り、予防策を考えておきましょう。

 

・特定栄養素の不足
トマトは枝や葉を茂らせながら、花を咲かせて実をつけます。
ついた実も大きく育つため、生長に必要な養分が不足すると、
生理障害が起きやすくなります。

 

尻腐れ病はカルシウム不足、芯腐れはホウ素などの微量成分不足が原因といわれています。
トマトに限らず、肥料には窒素・リン酸・カリという基本の3要素が含まれています。

 

これらの3要素とは別に必要となるのが、カルシウムやホウ素などの微量要素です。
微量要素が足りなくなると、じわじわと悪影響が出てくるので、注意します。

 

 

花と実の付き方が、おかしいです、たぶん窒素過多です

 

 

・花芽形成不良
きちんと株が生長していないと、花芽ができる時に正常に育たず、
花芽形成不良となる場合があります。

 

花芽が形成不良になると、窓あき果やチャック果の発生が多くなります。
花芽の形成不良は、生育段階で低温や過乾燥で起きやすいとされています。

 

トマトは乾燥を好むとされますが、生長を悪くさせるほどの過度な乾燥は禁物です。
また、12度以下の低温に当たると、花芽の形成に影響が出やすくなるので、
温度管理にも気をつけて栽培します。

 

・日照不足と強日射
トマトは日当たりの良い場所で育てるのが基本です。
日照不足になると、光合成をして作り出せる養分の量が減りますし、
栽培後半のスタミナ切れの原因にもなります。

 

ただ、真夏の強い日差しに長時間当てるのは良くありません。
暑さに強いトマトでも、強日射に当てると裂果を引き起こす原因となります。

 

・スタミナ切れ
トマトは栄養の詰まった大きな実をつけるため、
実を収穫するまでに相当な体力が必要とします。

 

なので、適度な追肥や灌水をせず、日当たりも悪い場所で育てていると、
スタミナ切れを起こして樹勢が極端に弱くなります。
樹勢が弱くなると、根がうまく養水分を吸い上げる力をなくすこともあります。

 

 

■トマトの生理障害の対策

 

生理障害が起こる原因が分かったところで、次は対策です。
できれば生理障害が起こらないように、予防対策をしておくことが重要です。

 

日々の手入れの仕方や、育てている環境を見直してみましょう。

 

・追肥と灌水
トマト栽培では、追肥と灌水が非常に重要です。
多肥にすれば樹ボケになりやすいですし、
かといって肥料が足りなければ、スタミナ切れしやすくなります。

 

トマト栽培での追肥は、少量をこまめにするのが基本です。
一度に大量の肥料を与えることで、長期間もつだろうと考えがちですが、
それでは、肥料濃度が高くなりすぎてしまい、根が傷みます。

 

根が傷むほどではなくても、一時に大量の養分を吸うことで、
草勢が強くなりすぎて、樹ボケを起こしたり、異常茎や奇形果の発生が増えます。

 

また、追肥とともに重要なのが、水やりです。
化成肥料は、水分に溶ける仕組みになので、定期的に肥料を与えていても、
適度に水やりをしていなければ、肥料成分が溶け出ずに肥効が出ません。

 

トマトは乾燥させて育てた方が甘く育つという考え方で、
葉がぐったりと萎れるまで水を与えないようにする栽培法がありますが、
トマト栽培の経験があまりない方は、無理をしない方がよいでしょう。

 

どちらかというと、肥料と同じで、水も少量をこまめに与えた方が、
過乾燥を防ぎつつ、過湿になるのも防ぐことができます。

 

 

根の張りが良いと、トマトは元気に育ち、美味しい実をつけます

 

 

・根張りを良くする
根の張りを良くすることで、乾燥と湿気の差を埋めることができます。

 

トマトを栽培することの多い夏は、雨が降らない日が続いたと思ったら、
土砂降りになって急激に水分がたくさん流れ込んでくることがあります。

 

こういう時に、しっかりとトマトが根を張っていれば、
広い範囲から養水分を集めることができるだめ、
晴れの日が続いても、過乾燥になりにくくなります。

 

過乾燥になりにくければ、雨が降っても水分量の差が大きくなりにくいため、
裂果などの生理障害を防ぐことができます。

 

 

 

数日、家を空けたら裂果だらけ(汗

 

 

根張りを良くするためには、育てる場所を深く耕すことです。
定植後は活着するまで乾かしすぎないように注意します。

 

また、定植する時の元肥は、溝施肥がお勧めです。
植え付けるための穴を掘る時、根鉢分よりも深く掘ります。

 

そこに元肥となる肥料を入れて土をかぶせ、その上に苗を植え付けます。
こうすることで、根が下へ下へと伸びていき、根域が広くなります。

 

・十分な日照を確保
トマト栽培では基本中の基本ですが、十分な日照を確保するようにしましょう。
日当たりの良い場所だと思っても、株間が狭いと、葉と葉が重なり陰となり、
日照不足を引き起こしている場合もあります。

 

また、強日射を防ぐため、西日が当たらないようにしておくことも必要です。

 

 

・温度
トマトは低温に当たると、花芽の形成不良を起こすことがあります。
これを防ぐには、低温に当てないことです。

ただ、育苗中は、夜間にある程度の低温に当たると、締まった株に育てられます。
この時は12度よりも気温が下回らないよう、工夫して管理しましょう。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方


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