トマト 活着不良

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トマト 活着不良

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トマトの苗を植え付けた後、ちゃんと根付くかどうか気になります、

シシリアンルージュの接ぎ木苗

 

 

植え付けた時に何かの理由で根傷みを起こしていると、
活着不良を起こして、その後の生育に影響することも少なくありません。

 

トマトが活着不良になった時の症状や、原因をご紹介します。

 

[トマト 活着不良]

 

 

■トマト 活着不良の見分け方

 

定植したトマトの苗が活着不良を起こしているかどうか、
初心者の方にとっては、見分けがつきにくいことがあります。
まずは、活着不良を起こしていないかどうかをチェックしましょう。

 

・生育が著しく遅い
定植したての苗は、見た目にはあまり動きがありません。
ただ、適切な状態で植え付けられた苗は、1週間もすれば、
新しい葉を展開させる様子を見せます。

 

ところが、新しい葉やわき芽を発生させるような動きが見えない場合は、
活着不良を起こしている可能性があります。

 

もちろん、低温などによって活着が遅れる場合はありますが、
定植後1ヶ月経っても状態が変わらないのであれば、
何等かの原因で根が伸びていない可能性が高いです。

 

 

ある園芸店で安く入手したトマト苗、一生懸命世話をしましたが、蘇りませんでした

 

 

・葉に萎れや変色が見られる
活着不良を起こしているトマトの特徴として、
頻繁に葉が萎れたり、変色したりする様子が見られます。

 

活着不良は、植えた時に根が傷んだり、
定植後に根がうまく伸びていっていない状態です。

 

そのため、かろうじて残っている根の周りの水分しか吸うことができずに、
葉が萎れやすくなります。

 

この萎れが原因で、葉の縁が焼けたように茶色く変色したり、
葉全体が薄く黄色っぽい色になることもあります。

 

ただし、萎れや変色は、活着不良だけが原因ではない場合もあります。
病害虫が原因の可能性もあるので、原因を追究して対処しましょう。

 

 

シシリアンルージュ、活着して元気に葉を展開しています

 

 

■トマト 活着不良の原因

トマトの苗が活着不良を起こすのには、何等かの原因があります。
特に問題ないと思っていても、実はちょっとしたことが原因で、
活着不良になることもあるので、あらためてチェックしてみてください。

 

・土の酸度
苗を植え付けた土の酸度が、極端に酸性になっていたり、
反対にアルカリ性になっていたりすると、
根がうまく育たずに活着不良を起こしやすくなります。

 

基本の育て方には「苦土石灰を土に加える」と書かれていることが多いですが、
これはカルシウムなどの微量成分を補うためと、酸度調整をする目的があります。

 

苦土石灰などの石灰類は、酸性に傾きすぎた土を中和するために使います
そのため、土に大量に混ぜたり、中性に近い土に石灰を混ぜると、
アルカリ性に傾きすぎてしまいます。

 

極端な酸性土も植物が育ちにくいですが、
アルカリ性の土も育つことができる植物は少ないです。
土作りの際の石灰の入れすぎには注意しましょう。

 

土の酸度が分からない場合は、一度簡単にでも計測しておくのがお勧めです。

 

・過湿、過乾燥
活着不良を起こす原因の多くが、過湿や過乾燥によるものです。
土の水はけが悪く、苗の根鉢の周りの土が湿気を長期間残していると、
どうしても過湿によって根が傷みます。

 

反対に、水はけが良すぎる土で育てている場合や、水やりを怠った場合、
過乾燥によって根が傷んで活着不良が起こります。

 

土は水はけの良い土を使いますが、
砂地などの極端な水はけの良い土は避けた方が良いでしょう。

 

また、深植えにすると湿気が溜まって過湿になりやすいので、
自根苗なら用土と同じ深さに、
接ぎ木苗なら1cm~2cmほど浅植えにするのが良いです。

 

・低温、高温
トマトは低温が苦手な野菜です。
植え付け後に、遅霜に当たるなど、寒さにあうことで活着不良になります。

 

定植後に低温に当たる可能性がある場合は、ホットキャップやビニールを使い、
苗の周りを囲み、防寒しておくと安心です。

 

反対に、暑さによって活着不良を起こすこともあります。
夏秋栽培ではあまりありませんが、
抑制栽培などでは、気温の高い時期に定植をします。
この時、地温が上がりすぎると、根が傷んで活着不良を起こします。

 

涼しい時間帯を選んで定植したり、敷きワラや銀色のビニールマルチによって、
地温が上がりすぎないようにしておきましょう。

 

 

シシリアンルージュ、標準プランターで2株、樹勢が強めですが安定しています

 

 

・肥料焼け
定植直後に関わらず、肥料に根が直接触れると、肥料焼けを起こします。
肥料焼けを起こした根は、うまく養水分を吸い上げることができないため、
生育が鈍りがちになります。

 

トマト栽培での元肥は、土に混ぜ込む方法や植穴に肥料を入れる方法、
溝を作ってそこに肥料を埋める方法などがあります。

 

栽培法によって元肥の与え方は異なりますが、
特に植穴に元肥を入れる場合は、気をつけて作業します。

 

元肥を入れたすぐ上に苗を植え付けると、
根が肥料に直接触れる可能性が高くなります。
元肥の上に必ず土を入れ、その上に苗を定植しましょう。

 

・根を傷つけた
苗を植え付ける時、移植ゴテやハサミ、手などによって根を傷つけると、
植え傷みがひどくなり、活着不良を起こしやすいです。
トマトの苗を定植する時は、根鉢を崩さないのが鉄則です。

 

根鉢の土が乾いていると、ポットから抜いた時に土が崩れやすいので、
定植前にたっぷり水を与えて土を湿らせておくのがお勧めです。

 

・苗が古い
トマトの定植適期の基本は、1段目の花がガク割れした頃~開花した頃です。
これより早いと、生殖生長より栄養生長が強く樹ボケを起こします。

 

反対に老化苗と呼ばれるような、すでに適期を過ぎた苗を植え付けると、
うまく活着できずに生育不良を起こします。

 

トマトの苗は、だいたい3号サイズのポットに入っています。
根鉢部分と地上部の大きさに、差があるものは避けた方が良いでしょう。

 

また、株元に近い葉は大きくがっしりしていても、
生長点に近い部分の葉が小さく、先細りになっている苗は、
老化苗になっている可能性が高いです。

 

少し遠目から苗を見て、下から上の株幅が変わらないものは問題ありませんが、
三角形になって先端が細くなっているものは、避けるようにしましょう。

 

見た目では気付かなくても、ポットから抜いた根鉢を巻いている根が、
茶色く変色しているものは、すでに根が傷んでいます。

 

植え付けた後に回復する場合もありますが、根が回復するのに時間がかかり、
収量が激減することもあります。

苗を購入する時、ポットの底を見てみましょう。

ポットの底穴から、根がにょろにょろと出ていて、
茶色く変色しているものは、根が育ちすぎて傷んでいます。
白くてキレイな根が少量見えているものを選びましょう。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき


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