トマト 成り疲れ

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トマト 成り疲れ

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トマト 成り疲れ―摘果してあげると株が元気に育ちます

 

 

トマトを育てていると、最初は順調に育っていたのに、
しだいに生育が遅くなり、実の大きさがバラつき、
味にムラが出たりすることがあります。

 

原因は色々とありますが、栽培中盤を過ぎたあたりから、
こういった症状が出るのなら、成り疲れが原因かもしれません。

 

成り疲れはどの品種にも起こりうる現象ですが、
少し注意するだけで、成り疲れが起こる時期を遅らせたり、
緩和させることができます。

 

トマトの成り疲れの原因と対策をご紹介します。

 

 

[トマト 成り疲れ]

 

 

■トマトの成り疲れの原因

 

・初期からの負担が大きい
トマトの苗を定植した後、環境が合っていればどんどん生長します。
しばらく経つと、1段目の花芽が開花して着果し、実がつきます。

 

そのまま順調育てば、2段目、3段目と順番に蕾がつき、着果していきます。
この初期生育が良すぎると、成り疲れを起こしやすくなるので注意します。

 

1段目から確実に着果させることで、その株が樹ボケせず、
花付きと実付きの良い状態へとつなぐことができます。

 

けれど、1段目から大きな実やおいしい実を多くつけさせる必要はありません。
1段目から、ついた花数だけ着果させ、すべて大きく育ち完熟するまで、
果実を木につけた状態を保っていると、すぐに株がバテてしまいます。

 

 

一段目の果実は、必ず着果させたいですが大きくし過ぎないようにします

 

 

1段目の花は確実に着果させる必要がありますが、大きく育てる必要はありません。
1段目の実が熟すまでは、株も未熟で充実していないので無理をさせるのは禁物です。

 

初期生育の段階で、葉で行った光合成で作られた養分は、根に溜まります。
根に溜まった養分は、着果した実に運ばれることとなるため、
着果数が多くなりすぎると、根に溜めた養分が足りなくなります。

 

特に初期段階で実をつけすぎると、根もまだ発達していないため、
土中の養分を吸って補うこともままなりません。

 

このことからも、1段目付近で実をつけすぎるのは、
良くないことだというのが分かります。

 

・夏バテ
トマトは夏が旬とされているため、暑い気候を好むと思われがちですが、
意外と猛暑は苦手です。

 

むしろ初夏や秋口のような、爽やかな風が吹く時期の方が、
トマトが過ごしやすい季節なのです。

 

あまりにも気温が高いと、花芽をつけるのをやめたり、
生長が極端に遅くなったりします。

 

トマトはやや乾燥に強い性質がありますが、
あまりにも乾燥している環境では、土の中の根が傷みやすくなります。

 

また、乾燥した状態が続くと、根が必要とする酸素が土中に不足します。
真夏を過ぎても、生長が遅く、花芽がつかない、花が受粉前に落ちる、
という状態が、続くようであれば、夏バテになっている可能性があります。

 

 

たくさん着果させると根の負担が大きく成り疲れをおこしやすいです

 

 

・根が弱っている
トマトはもともと雨の少ない地方で育っていたため、
土中の水分や空気中の湿気を、できる限り吸えるように努力をします。

 

トマトを育てていると、茎にぶつぶつとしたものができることがあります。
これは気根と呼ばれるもので、空気中の湿気を吸おうとして、
根を発生させているのです。

 

また、地中の水分を効率よく吸いあげるためと、
高く伸びた枝を支えるために、広く深く土に根を張ります。

 

この根の生育が良い状態を保つことができれば、成り疲れはあまり置きません。
ところが、根が弱々しく育っていたり弱っていたりすると、成り疲れが起きやすいです。

 

 

■トマトの成り疲れ対策

 

トマトの成り疲れは、起こってからでは、なかなか復活させられません。
そのため、できるだけ成り疲れが起こりにくいように対策しておきます。

 

・根張りを良くする
根張りを良くすることは、生育を良くすることにも関係しますが、
成り疲れを起こしにくい、強い株を作ることにもつながります。

 

根張りを良くするために、土作りはしっかりと行い、
根が育ちやすい、水はけの良い土に整えておきましょう。

 

根を大きく広げるためには、十分なスペースが必要となります。
地植えにする場合、思っている以上に深くまで耕しておくと、
根が伸びやすくなるのでお勧めです。

 

目安としては、30cmくらいの深さですが、大型のスコップなどを使い、
一度は50cm~70cmくらいまで掘っておくと、
土が柔らかくなるので根張りが良くなります。

 

プランターなどの容器栽培の場合は、
できるだけ大きな容器を準備しておくと良いでしょう。

 

小さい容器だと、すぐに根詰まりしてしまい、根の生育が悪くなります。
また、根の養分が足りなくならないように、
初期段階での実のつけすぎは避けるようにしましょう。

 

大玉トマトの場合は、段ごとにつける実の数を決め、
摘果することで、体力の消耗を軽減することもできます。

 

 

用土に酸素が多いと、元気に育ってくれます

 

 

・酸素を送る
土に十分な酸素がないと、夏バテを起こしやすくなります。
トマトは、酸素を根から吸収することで、健全に育つことができます。

 

土が粘土質だと、土の粒の間に空気が入り込みにくくなります。
いわゆる団粒構造からできている土だと、土の粒の間に隙間が生まれ、
その間に空気が入り込むようになります。

 

また、過度な乾燥も酸素不足を引き起こしますが、
水が溜まっている状態も、酸素が不足する状態になります。

 

乾燥を防ぎ、過度な水分が入り込まないようにするため、
まずは水はけと水もちの良い土を作るように心がけます。

 

さらに乾燥と過湿を防ぐために効果的なのが、マルチです。
マルチにも色々な種類がありますが、夏場にお勧めなのがワラやもみ殻です。

 

プランター栽培の場合、
ビニールマルチは、厚みがないため、温度変化しやすいのが難点です。
また、通気性が悪いため、空気を通すという意味では、あまり役に立ちません。

 

ワラやもみ殻であれば、厚みの調整は簡単にできますし、
適度な隙間が生まれることで、酸素を上手に送り込むことができます。

 

地面を覆い、太陽の光が直接当たらず、地温の上がりすぎも防げます。

 

初期生育の段階で、どうしても地温を上げるために、
ビニールマルチを利用したいという場合は、
気温が安定してから、ビニールマルチをはがし、
ワラやもみ殻を敷き直す方法がお勧めです。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき


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トマト栽培Q&A

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