トマト 徒長を防ぐ

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トマト 徒長を防ぐ

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トマトの種を播き、育苗から試してみたけれど、
苗が徒長してしまったという失敗談をよく聞きます

 

 

徒長した苗は、ひょろひょろと見るからに頼りなく、
実際に生育不良になったり実付きが悪くなりがちです。

 

トマトの徒長はなぜ起こるのでしょうか?
さらにトマトの苗を徒長させずに育苗する効果的な方法をご案内します。

>>トマト 種からの育て方 もあわせてご覧ください。

 

[トマト 徒長を防ぐ]

 

 

■徒長とは?

 

徒長という現象は、トマトに限らず植物全体に起こるものです。
正常に生長した苗に比べ、節間が長く間延びしたような姿になります。

 

原因は様々ですが、日照不足が主な原因で、株全体の色が薄いこともあります。
徒長した苗は弱く、病害虫の被害にあいやすく枯れることも多いです。

 

トマトの苗をを丈夫に育て、良い収穫にするには、
徒長させずがっしりとした苗にすることが大切です。
こちらでは、徒長の原因と予防方法をご紹介していきます。

 

 

■徒長の原因

 

トマトが徒長してしまう原因は、日照不足だけではありません。
徒長は発芽直後から起きることもあるのです。
まずはトマトが徒長してしまう原因を探ってみましょう。

 

・夜間の温度が高い
トマトは高温を好む植物ですが、
夜間まで日中と同じ温度帯のままだと、徒長しやすくなります。

 

夜間まで気温が高いままだと、トマトが生長しようと頑張ります。
ところが、いくら気温が高くても、夜は日が当たりません。

 

そのため、暗い場所で生長することとなり、徒長が始まります。

 

・水分が多い
水分が多すぎる環境も、徒長を引き起こします。
特に夜間に水分が多い状態が続くと、徒長しやすくなります。

 

種まきから発芽までの間は、ビニールなどで覆って保温することが多いですが、
ビニール保温によってビニール内の湿度が高くなります。

 

発芽した時の湿度が高いと、
発芽間もないトマトが徒長する原因となります。

 

・日照不足
トマトの種は日の光を嫌う嫌光性の種子です。
けれど発芽した後は、光を求めます。

 

日当たりの悪い場所で育苗したり、定植場所の日当たりが悪いと、徒長します。
また、天候不順によって晴れの日が少ないことも、日照不足の原因となります。

 

・肥料の過不足
肥料の中でも、特に窒素が多い状態で育つと、徒長しやすくなります。
反対に肥料(養分)が足りていない状態になっても、徒長して軟弱な状態となります。

 

生長に必要な養分の過不足は、元肥や追肥だけで起こるのではありません。
日照時間や水分なども関係するので、多方面から環境を整える必要があります。

 

 

ずんぐりした苗に育てるのが良いです

 

 

■トマトの徒長を防ぐ

 

トマトの徒長原因が分かったら、次は予防対策です。
徒長した状態になると、すぐには正常な苗に戻せません。

徒長で、トマトの収量が激減することもあるので、必ず予防しておくようにします。

 

・温度管理
種まき~発芽まではもちろん、発芽した後の育苗中も、温度管理が必要です。
さらに日中と夜間に温度差を作ることで、
夜間に苗が生長して徒長するのを防ぐことができます。

 

夜間に温度を下げると、苗が生長するのをやめて休みます。
そのため、日照不足からの徒長も防ぐことができるのです。

 

種まき~発芽までは、日中24度~28度で夜間が18度です。
発芽後は、日中25度~30度で夜間が10度~15度が目安となります。

 

日中の温度は、種まきをしてから育苗中も、ほとんど変わりません。
けれど夜間は、発芽までは少し高めで、発芽後はさらに低くなります。
この温度差が締まった良い株を作るポイントです。

 

・水分管理
水分が多すぎる状態だと、徒長しやすくなります。
特に夜間に土が湿りすぎていたり、
発芽のタイミングで周りの湿気が高いと、徒長しやすくなります。

 

発芽の直前に、少しずつ換気をして、湿気を外に逃がすようにすると、
発芽直後の徒長を抑えることができます。

 

発芽した後に水を与える時は、必ず午前中に与えるようにし、
夕方には少し乾き気味になるようにしておきます。

 

常に底面給水させているような状態だと、
夜間にも水分がたっぷりある状態となるので、徒長しやすくなります。

 

午後には底面給水をストップし、水が余らないようにすることが大切です。
ただし、水分量を減らしすぎると、苗が枯れることがあります。

 

ここが難しい点ですが、こればかりは慣れが必要です。
失敗しても諦めず、調整しながら一番良い方法を見つけましょう。

 

・明暗のメリハリ
トマトは嫌光性種子なので、発芽までは光を必要としません。
しかし、太陽の光に当てないと、地温や保温庫内の温度が上げにくいので、
日当たりの良い場所に置くようにします。

 

ただし、夜間は必ず暗くしておくようにします。
特に発芽した後は、夜になっても明るい室内に置いていると、
トマトが育とうとしてしまい、徒長します。

 

日が暮れたら、トマトにも暗い環境を作ってあげましょう。
段ボールなど遮光できるものをすっぽりかぶせるだけでも構いません。

 

・刺激を与える
本葉が出てくる頃から、風などによって振動を与えることで、
エチレンというものを発生し、無駄な生長を避け徒長するのを防ぐことができます。

 

刺激の与え方としては、そよ風程度の風を扇風機で30秒ほど当てたり、
布や手などで頂部をなでるように動かすだけです。

 

購入した健全な苗を、植え付け前に7日~10日間ほど同じような刺激を与えると、
植え付け後の徒長が大幅に減ります。

 

 

■徒長してしまったら

 

どれだけ気を付けていても、どうしても徒長してしまうことがあります。
それでも諦めてはいけません。
できるだけのことを試みましょう。

 

 

胚軸切断して挿し木する方法があります

 

 

・胚軸切断挿し木法

なんだか難しそうな名前ですが、簡単に言うと、
小さいうちに根と切り離して挿し木をし、正常な状態に戻す方法です。

 

トマトの場合、本葉が2枚出た頃が適期なので、
それまでに徒長している時に有効な手段となります。

 

地際で茎を切り、1時間ほど水につけて水あげを行います。
その後、通常の挿し木と同じ要領で挿し木をすることで、
新しい根を発生させることができます。

 

小さな芽を切るのは勇気が必要ですし、
成功するとは限りませんが、チャレンジする価値はあります。

 

・斜めに定植する
定植できるほど育った苗の場合は、苗を斜めに植え付けることで、
苗にストレスを与え、エチレンを発生させることができます。

 

エチレンを発生したトマトは、生育が一時期抑制されて徒長を防ぎ、
さらに斜めに植え付けることで、茎が埋まっている部分から、
根を出すことによって節間を狭くすることができます。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方

・ミニトマト わき芽かき


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トマト栽培Q&A

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